• 2024年12月8日

ミドリンPアレルギー(散瞳剤)に関して

羽曳野市で白内障手術に力を入れている こにし眼科 院長 小西です。

ミドリンPという薬の名前を聞いたことがあるでしょうか。

眼科医院では一般的によく使用される散瞳検査用の点眼薬です。点眼すると5分から10分程度で瞳孔が散瞳し、外から眼底の観察が容易になります。白内障、網膜手術の手術準備として使用されることもあります。

このミドリンPですが、しばしばアレルギー反応を起こします。ミドリンP点眼には主にフェニレフリンとトロピカミドという成分が入っていますが、このうちフェニレフリンの方がアレルギーの原因となることが多いと言われています。アレルギー反応が起きると、結膜の充血や、かゆみ、眼瞼皮膚の腫れなどが生じます。アレルゲン物質の証明にはパッチテストなどを試してフェニレフリンアレルギーであることを確認することが必要かと思いますが、実際の日常診療では病歴の詳しい聴取や所見からミドリンP点眼によるアレルギー反応であることを判断することは可能と思われます。

厄介なのは感作が成立するまでにタイムラグがあり、最初のうちは散瞳のために点眼されても何もなかったのに、何度か散瞳検査を繰り返すうちに感作が成立してしまい、数か月あるいは数年を経てアレルギー反応症状が出始めることがあるため、他にも点眼薬を使用している場合に何が原因物質なのかわかりにくいケースが存在することです。感作というのは原因物質に対する暴露を繰り返すうちに、体が排除をしようと免疫反応を始めることを指します。

治療に関してはステロイド点眼、外用などで速やかに改善することがほとんどです。

一度アレルギー反応が出た方には今後はその薬は使いにくくなりますので、この場合ですとミドリンMなどの代わりの薬を使用する必要があります。

過去にそのような体験をされた方は、眼科受診の際には事前にお申し出頂きますようお願いいたします。

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